ムーンショット計画で改善できた思考法〜実践するだけで10倍の改善に〜
はじめに
Googleの拡張現実アイウェア・システム「Glass」や自動運転車を開発する、グーグル X責任者が提唱していたムーンショット。
今ではアメリカだけでは無く、日本の内閣府やトヨタなども取り入れています。
では、そんなムーンショットはなんなのか?それを今回ご紹介していきます。
こんな人にオススメ
- 経営者
- これから起業する人
- これから社会人になる人 など
ハーバード大学式自分を動機付ける4つの戦術
①具体的目標
この具体的にというのは言葉の通りしっかりと具体的な目標を立てるという事です。
例えば、「今日お客さんにたくさん会いに行きます」と「今日は10人のお客さんに合いに行きます」では具体性が違いますよね。
②効果的なご褒美設定
短中期的に目標設定でご褒美設定をする事です。
ここでするご褒美は、嫌な事をご褒美に設定した方が達成する事が分かっています。つまり、人は同じ価値であれば損失を嫌うという事です。
事例①
アメリカのオンラインサービス(簡単に言えば、このサービスは自分が何か目標を掲げてそれに募集をかけて同じ目標を掲げている人達同士でお互いの進捗状況を監視し合うサービス) での実験があります。
例えば、ユーザーが目標選択で禁煙をすると決めたとします。
ここで目標達成のご褒美を自分が嫌なものに設定するというものです。目標を達成する上で、ご褒美を自分が嬉しいものにした場合と、自分が嫌なものにした場合とでは明らかに自分が嫌な事をご褒美にした方が目標達成率が高まるという研究結果が出ています。
自分が嫌な事であれば、なんでも良いです。例えば、嫌いな人とご飯に行くとか、嫌いな政党に寄付するとかなんでも良いです。
③前進を継続する
目標というのは、最初と最後は良いんですが中だるみするという性格を持っています。わかりやすく言うと、目標達成というのはマラソンと一緒です。
最初は快調に飛ばすけれど、途中体力が無くなっていくので辞めたいと思いますよね。しかし、ゴールに近づいて来ていると知るとやり切れる気がしますよね。
- 目標設定においては、中だるみを防ぐ為に期間を短くする事がポイントです。
これを「中期の短縮」と言います。
1年間の目標では長すぎるし、四半期でも中途半端に長いので中だるみしてしまうので、週次の目標を決めて目標を達成していく事です。
大事な事は、ゴールを見える様にする事。ゴールが見えていないから道のりが長く、キツく感じてしまうのでそれを防ぎます。
言い換えれば、目標を細かく設定する事です。
これは、日本電産の永守重信さんが提唱している「千切り理論」と一致します。千切り理論は、どんな難しい目標を掲げてもそれを野菜の千切りの様に目標を細分化して行くというものです。
こういった感じで幅の問題的にこんなけですが、もっと細かくするという事です。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
ここで少し活用した例を上げます。
この目標設定は「販売促進活動」に使う事ができます。
初期のユーザーには、10ポイント中2ポイント既に獲得しましたと強調し、目標達成間近の人には、残りポイントを強調します。あと2ポイント獲得すると1つ無料になりますと言う事で購買が一気に加速されます。
④他者の影響活用
友人が何かモノを買っただけでは購入はしませんが、その友人が推奨して来たら購入する確率が上がります。ここでは、これを活用するという事です。
自分がロールモデルとする仲間が目標について語るのを聞くと、この上ない刺激になり、目標を高く持つ助けになります。
豆知識として知っておいて下さい。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
- やる気がない場合、やる気を出す助言を求めるよりも助言する側になるとやる気が上がります。
ムーンショット計画とは
ムーンショット計画とは、今絶対にできていないと思われるものを目標にする事。
つまり、今までの延長線上の考えを捨てる事。今までの延長線上で考えても良くて10%〜20%しか変化がないのです。
「10%の成長はなんの意味も無く、いかにして10倍の成長を遂げるか。」が大事だという事。
⬇︎
自分の目の前のお客さんを10%喜ばせられるか?では無く、いかにして目の前のお客さんを10倍喜ばせられるかを目標設定できるかが大事。
10%の改善の目標では誰もついて来てくれません。なぜならば、自分の為にしている感じしかしないからです。
めちゃくちゃわかりやすい例をあげます。
月商を50万円増やしたいんです。
そうなんですね。頑張ってください。
こういうのは自分の10%の改善であり、且つ個人的な事であり引き寄せられたりもしませんよね。
↕︎
ところが、これならどうでしょう?
今、農家の人が減少し豊作地も余って来ており、日本の自給自足率も35%とほとんどが輸入に頼っている状況です。短期目標は自給自足率の改善で、長期的には飢餓を失くす為にアグリテックの事業を立ち上げようとしています❗️
それ面白そうですね。一緒にやらせてください❗️
圧倒的にムーンショットをする方が良いのです。
※ムーンショット計画の大元は、1961年にケネディ大統領がロシアに遅れを取っていた宇宙開発で示した計画の事です。
ムーンショットに欠かせない要素
①人を魅了し奮い立たせるもの
これは、いわゆる事業内容を話す事で相手をワクワクさせられるかどうかという事。
例えば、好きな人からすると「ディズニーランド」と聞くとワクワクする人はいますよね?
この様に、事業内容を相手に話す事で相手をワクワクさせられる事ができる様する事が大切です。
②信憑性のあるもの
遠い未来に対して今とのギャップがあるわけですが、このギャップを埋める事が必要で、このギャップを埋めるだけのロードマップがあるかが大事。
根拠も何も無ければただの絵空事にしかならないので、例えば、「こんな強力な仲間がいるから実現させる事ができるんだ」みたいに裏付けをする事で信憑性を上げるという事です。
③創意溢れる斬新なもの
過去の延長で無く、新しい世界を感じられるというものです。
ムーンショットの効果
- 取引先や従業員などを鼓舞する
- 普段獲得出来ない人材を仲間へ
- 付き合う人が変わり、入ってくる情報が変わる
- 今までの延長での発想の破壊
- 圧倒的な差別化
- ワクワクした時間
ムーンショット実践2つのポイント
①ビッグシンカー
これは、10年後にどうありたいのかを強烈にイメージし、思考の枠を広げ、ビッグシンカーになるという事です。
「僕らの〇〇は世の中を変える事ができるかもしれない」という風な視点を持つ事。
②リスクを正当化して守る事になりすぎてはいけない
これは「攻撃は最大の防御」だという事で、取るべきリスクを「足元固め」などという正当に聞こえる事を言い続け守りに入ってはいけないという事です。
これを防ぐ為には、攻める事ができる第三者をメンターなどに置くべきです。
ムーンショットを構成する4つの方法
①サイエンスフィクション
SFの世界を大切にするという事です。
これは、ビル・ゲイツも言っていました。
事例を紹介します。
ある会社が、今までして来た事やその業界の情報をSF作家に渡し、業界の5〜10年後を予測してもらいました。その会社はその予測通りに実践をし、アメリカで有名な会社になりました。
②アナロジー
他業界のものを持って来る
例えば、他業界ではサブスクリプションが流行っているのに、どうしてウチの業界はしていないんだろうと考え、取り入れようとする事です。
何かを「しない」為にはどうするか?という視点を持つ
例えば、「Googleだったらこんなやり方はしないだろうな」とか「〇〇さんだったらこんな考え方はしないだろうな」という風に考える事です。
つまり、いかにして客観的に俯瞰するかという事です。
失敗した会社がどの様な手法を試したのかを知り、失敗から学ぶ
これはそのままです。
③第一原理アプローチ
事例①
マウスに試験薬を投与し人間に投与するのが製薬の流れですが、マウスでは失敗する事が多いので時間がかかっていました。
そこで、ある製薬会社がそもそも論(第一原理)を疑い、マウスと人では構造が違うのでマウスに人の遺伝子を移植して実験する様になりました。すると、新薬開発にかかる平均43億ドルの2割以下で新薬開発ができる様になったのです。
これに関してイーロンマスクのコメントがあります。
つまり、多くの人は目に見えている所しか改善をしていないから、そもそも論(第一原理)を疑えという事です。
④内適用・外適用
内適用
これは、ある目的で進化した特徴が全く別の用途に適用される事です。
事例①
虫の羽はそもそもは体を温めたり、交尾相手を誘うものだったが、それが飛ぶ上で重要な役割に変わっていったのです。
つまり「なぜその目的で使って、他の目的で使わないのか?」を考えるという事です。
事例②
義足のデザインはそもそも第2次世界大戦以降ほとんど変化がありませんでした。理由としては、デザイナーが美的感覚を重視する結果、本物の足に似せていたからです。しかし、本物の足に似せる必要はあるのか?と疑った人が似せる事を止めて、圧倒的な機能性を重視しました。その結果、見た目は違いますが、本物の足の様な機能を搭載する事が出来たのです。
外適用
アマゾンの創業者のジェフ・ベゾスは「どんな隣接分野に進出するか決める際にやり方が2つある。」と言います。それは、「お客様のニーズから遡って考える方法」と「スキル優先で考える方法」の2つです。
次回は創造的発想を生む為の4つの視点についてお話ししていきます。
では、また👋