キャッシュフロー計算書(CF)理解でできた決算の読み方〜10分で会社の経営方針がわかる様になる〜
はじめに
キャッシュフローと聞くと、なんとなく雰囲気はわかりますがまためんどくさそうですよね。でも、これを読むだけで10分で会社の経営方針を把握する事ができる様になります。
こんな人にオススメ
- 起業家になりたい方
- 経営者だけどあまり把握してない方
- ゆくゆくは経営に携わりたいと考えている方 など
結論
「CFは、会社の経営方針や経営状況を把握できるもの」
キャッシュフロー計算書(CF)
早速ですが、マネーフォワードのキャッシュフロー計算書はどちらでしょう?
分からなくて、当たり前です。
では、詳しく説明していきます。
キャッシュフロー計算書(CF)は、細かくいろんな事が書いてある決算を上の図に当てはめるだけで理解する事ができます。
この3つを抑えておけば良いです。
- 営業活動:本業の営業活動で現金がどの程度増減したか
- 投資活動:投資によってどの程度現金が増減したか
- 財務活動:資金調達と返済でどの程度現金が増減したか
上の図のCFは、ソフトバンクのCFです。
ソフトバンクの場合は、①の営業活動は携帯の通信事業なので上に向いているので、売り上げも順調だと言う事です。
一方で、②で本業での売上以上に投資活動を行っています。なので、現金が残っていないので、③の財務活動で資金調達しています。
営業活動CF
営業活動CFは、主に以下の4つになります。
- 商品を販売して手に入れた現金
- 材料を仕入れるために支払った現金
- 広告宣伝費など販売管理費に流出した現金
- 税金支払・保険金受取など
①と②は、簡単に言えばコンビニでうまい棒を売った現金とうまい棒を仕入れる為にかかる現金です。
③は、PLでもやった通り人件費や広告費などの販管費の支払いに必要になる現金です。
④は、営業活動で儲かった分の税金の支払いや保険金の受取などもあったりするので、これらを踏まえて利益が出ていたら矢印が上に向きますし、赤字なら下に向きます。
この本業での営業活動で利益が出ていたら投資をする為の財源にもなりますし、株主への利益還元の為の財源にもなります。
しかし、本業の営業活動で赤字が出ていたら投資で回していた利益で補ったり、銀行から借入したり、債券を発行して借入したりして補います。また、ずっと本業で赤字が続いているのであればそもそもの事業基盤の改善を測らなければなりません。
営業活動CFは、CFの3つの中で最も重要なものです。
投資活動CF
投資活動CFは、企業の投資活動によって、会社に流入・流出した現金の動きを表したものになります。
投資活動は、マイナスになっているとダメだと思うかもしれませんが、投資活動がマイナスになっている方がどんどん投資をして事業を拡大しようとしているので、むしろマイナスの方が良いです。少しソフトバンクは攻めすぎかもしれませんが。
なので、投資活動CFはマイナスの方が理想的だという事です。
投資活動によって、会社がどういう事に興味を持っているのか、どういう風な経営方針で行っているのかが分かってくる様になります。
投資の財源が銀行から借り入れたのか、投資家かから借り入れたのか、それとも営業活動で儲かっているから投資に回しているのかなど、投資の財源を確認する事ができるし、どのくらいの規模で成長市場に何百億・何兆円を投資しているのか、それともまだまだ市場ができていないスタートアップの小さい所に数億円・数千万円投資しているのかなどで、どこの分野に興味があるのかなどその会社の目指している方向などが分かります。
それが工場に投資しているのであれば、事業を拡大しようとしているのだなぁとか、農業のベンチャーに投資しているのであれば、その会社は農業系に着手しようとしているのかなぁなどがわかる様になります。
財務活動CF
財務活動CFは、調達したらプラス、返済したらマイナスになります。
企業が上場し資金調達をした場合、この区分が大きくプラスとなりますし、債券を発行しすぎたりするとプラスになりますが後々借金になります。
おさらい
ここで3つの数字のおさらいをします。
①営業活動CFがプラスなら本業でしっかり利益を出しているという事ですし、ここがマイナスなら本業で赤字になっているという事です。
②投資活動CFがプラスなら設備や株を売却しているという事なので、急に現金が必要になっていたり、事業が縮小しているという事ですし、マイナスなら設備や株に投資をしているのでものすごく理想的な状態だという事です。
③財務活動CFがプラスなら銀行や投資家から資金を調達しているという事ですし、マイナスなら調達した資金を返済しているという事です。
CFの8つのパターン
①健康経営
健康経営とは、本業で儲かったその資金を投資や借入の返済に充てるものです。
②攻め方
本業で儲かって、資金を投資して足りない分を借入しているものです。
ソフトバンクがそうです。
③安定型
本業で安定しているが、設備や投資の見直しなどで一部資産の売却を行い手元の資金を厚くする事で、資金調達を行おうとするものです。
④大幅見直し型
本業でも赤字で事業自体を見直して次の一手に向けた投資を行っている状態です。
⑤治療型
本業や設備投資で資金を得て返済に当てるものです。
⑥衰退型
本業で資金が赤字で、それを補うために設備を売却して返済を進めるものです。
⑦勝負中
資金繰りが難しくてキャッシュが流出していますが、借入によって投資を行っているものです。スタートアップがそうです。
⑧東芝の財務諸表
営業活動で赤字で投資活動で設備などを売却して、さらに銀行などから借入もしている状態です。
では、ここで再度質問です。
いつも通り、マネーフォワードの会社を考えてみましょう。
SaaSモデルは、従来のショット型とは違い月額で売上を上げるものなので短期的には赤字になりやすいです。
①は、営業活動は赤字だが、さらに投資を行っています。なので⑦勝負中です。
②は、営業活動は黒字で、投資をさらに行っています。なので②攻め型です。
財務活動は、両方ともプラスになっています。しかし、資金調達以上に投資をする事は新規上場する会社では考えられにくい。
こういったスタートアップは資金が少ないので、資金調達以上に投資活動をする事はあり得ない。
答えは、①がマネーフォワード、②が武田製薬工業です。
投資家は、営業活動が赤字でもSaaSモデルが短期的に赤字なのを知ってるのでこんなに資金調達ができています。
一方で②の武田製薬工業は、本業で利益が出ているので工場などに投資をして資金調達もできています。
まとめ
この8つのCFを抑えておく事で、その会社の状況を把握する事ができ、また、その会社の経営方針を把握する事ができます。
では、また👋